おせち料理の由来
各家庭におられる、歳神(としがみ)さまへお供えし、年が明けに神様のお下がりとしていただく料理とされています。神様にお供えした食べ物を、御節供(おせちく)と呼び、これがおせち料理になったとされています。正月三が日には“かまどの神様”に休んでもらう、買い物や料理などの家事もお休みにするといった意味も込め、保存が効く料理が中心になったとも言われています。そのため、味付けは濃いめの物が多くなりがちです。おせち料理の中身の食材やメニューには五穀豊穣や無病息災、子孫繁栄などの願いが込められています。めでたさを重ねるという意味も込め、重箱に詰めて作られます。重ねた時に一番上の重箱になる一の重には、祝い肴と酒の肴になるかまぼこや栗きんとんなどの「口取り」を詰めます。二の重には焼き物を詰めます。縁起が良いとされる食材や、お祝い事にふさわしい高級食材なども使われます。三の重には、山の幸を使った煮物家族が仲良く結ばれるよう煮しめ(煮物)を詰めます。与の重は、四が死を連想させないよう「与の重」と表記され、紅白なます等を入れ、縁起物の水引をかたどっているとされ、平和や平安を願います。五段目がある場合は空箱とすることもあり、来年の繁栄予知を残すという願いが込められます。