食のうんちく「早めの避難で一安心 ~ 豪雨災害に備えて」

【質問】
貴方は某自治体の首長(市長)です。台風や線状降水帯などによる風水害が深刻さを増す昨今、堤防決壊や土砂崩れなどによる犠牲者を減らすことは喫緊の課題です。このため、市としては安全な避難所やそこに至る避難路の整備等を鋭意進め、概ね必要十分なボリュームを確保することが出来ました。貴方としては、風水害による犠牲者を無くすために、今後どのような施策を進めるべきでしょうか。
【解説】
貴方としては、被災することが懸念される地区の住民が余裕を持って避難所に移動するように誘導すべきであると思料されます。風水害による犠牲者の多くは、荒天に際して避難が遅れてしまったことによって発生しています。避難のためのアクションが遅れがちになる原因としては「まだ大丈夫だろう」という正常化バイアスとともに、「自宅を離れて不便な避難所に行くのは気が進まない」という心理であると推測されます。そこで、貴方としては避難対象住民が早めに避難したくなるような仕掛けを準備するべきであると思料されます。具体的には、避難所の備蓄食料をグレードアップ(「帝国ホテル謹製カレー(レトルト)」など)したり、24時間視聴可能なテレビ観覧室(全放送局に対応する数を確保)を設置したりすることを推進します。更に、避難所に身を寄せた住民に各種ポイントを付与する施策なども検討します。これらの諸施策によって、荒天が予報された時点で多くの住民が「避難所に行って旨いものを食べようか」「たまの『小旅行』だと思えば一興」などと考えるようになることが期待されます。更に、定期的に避難訓練を実施する際に、賞味期限が近い備蓄食料の一部を訓練参加者が食するようにして、ストックのクオリティ維持に留意することとします。